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<リーダー向け>デジタルマーケティングの施策とツール(3)SNS活用のポイント

公開日:2021/03/31

藤原哲史(ふじわら・さとし)

コロナ禍の影響により、対面での顧客との接点が減少するなか、営業活動を取り巻く環境はオンラインへとシフトしてきています。アジャイルメディア・ネットワークの調査によると、コロナ禍に企業が注力すると答えたマーケティング活動は、SNS活用/SNS広告(57%)、eコマース(35%)、オウンドメディア(34%)、動画活用(33%)、オンラインのイベント/セミナー/展示会(28%)、Web接客(28%)などのオンライン・デジタル関連であると報告されています。私がアドバイザーとして訪問する企業様の多くはBtoB企業ですが、この間、実際にSNS(特にFacebook、Twitter)の活用を開始した、強化し始めたという状況にあります。

SNSを活用する目的

支援先のSNS担当者に伺うと、みな兼務されていることもあり、「どのように運用したらよいのかわからない」「なかなか手が回らない」という悩みを抱えているようです。そこで、まずは目的を明確にすることをアドバイスしています。対面での顧客接点が減少したことにより、新たな接点を増やすためのSNS活用なので、SNS運用はまさに営業活動です。そのため、顧客に対して自社のSNSをフォローすればメリットがあることを伝えてフォローしてもらい、有益な情報を提供し、自社に対する興味・関心を引き出すことが重要になります。有益な情報とは、顧客の知りたいことや、顧客の困りごとに対する解決策と考えると取り組みやすいと思います。

SNSの運用

フォロワーを増やすには

まずは、Webサイト、パンフレット・チラシ等の印刷物、名刺等の自社の情報伝達ツールでSNSアカウントを紹介しましょう。印刷物・名刺等を対面で手渡しする際には、しっかりとSNSを案内してください。また顧客のメールリストがあれば、SNSのフォローを促すメールを送信し、従業員のメール署名にもSNSアカウントを明記しましょう。フォロワーを増やしていくためには、こうした地道な取り組みが必要です。なお、先ほどもお伝えしたように、フォローしてもらうためには、自社のSNSをフォローすればメリットがあることを伝え、しっかりと有益な情報を提供してくとこが大事です。

継続的に運用していくには

手が空いた時に、思いつきで投稿するようだと、顧客に対して有益な情報を提供することは難しく、投稿を継続していくことも困難になってしまいます。そのため、「投稿カレンダー」を作ることをアドバイスしています。Facebookページを例にとると、「投稿カレンダー」には、1カ月分の投稿日時、投稿テーマ、投稿形式(画像、リンク)、テキスト原稿を表組にして入力し、投稿月の前月の中旬には完成させて、社内の関係者で共有します。Googleスプレッドシートを利用すると共有しやすいでしょう。そして実際の投稿日程が近づいたら内容を再確認し、日程の変更が必要なら調整して、投稿を実行します。

このようなフォーマットがあると取り組みやすいようで、支援先において「どのように運用したらよいのかわからない」とおっしゃっていた担当者も、テーマについて打合せした翌日には、1カ月分(週2回投稿)の投稿カレンダーを完成することができていました。継続的な運用に困っている方は、ぜひ試してみてください。

コラムニストプロフィール

藤原哲史(ふじわら・さとし)

中小企業診断士、上級ウェブ解析士。出版社、広告代理店・制作会社にて企画・編集・制作業務に携わった後、2019年に株式会社クレビスを設立。現在、企業のマーケティング・コミュニケーション活動(広告、販売促進、広報・PR)の戦略立案・実行・改善の支援に従事している。