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<経営者向け>デジタルマーケティングと人材育成(第2回:誰を育成対象とするか)

荒井幸之助(あらい・こうのすけ)

2021.03.31

 デジタルマーケティングで成果を上げるには、人材の育成が特に重要である、ということを前回お伝えしました。マーケティング活動を継続するためには、それを支える人が欠かせないからです。今回は、「会社の誰を育成対象とするか」という点についてお伝えします。キーワードは「継続性」です。

 最初に、会社の規模によって、育成の対象者が異なります。中小企業でも組織の機能が専門の部として独立しているような比較的大きな会社の場合は、デジタルマーケティングは、その部が担うことになりますので、その部に所属する人が育成対象の筆頭になります。具体的には、マーケティング部を筆頭に、経営企画、営業部、総務、ITなどの部に所属する人が担うことが多いと思います。なお、デジタルマーケティングでは、プログラム等の技術的なサポートをする必要性が多いこともあり、マーケティングとITの部を兼務する人材として育成する場合もあります。いずれの場合も、会社の目的やミッションを明確にして、ご本人の意思や適正を尊重した上で決めることは言うまでもありません。

 次に、小規模な会社や個人事業主などの比較的スタッフの少ない会社では、誰を育成すべきか決め兼ねる場合が多いと思います。この場合は、扱うデジタルツールの種類によって決める方法があります。ツール活用の目的に合わせて、それに適した人を育成するという考え方です。例えば、ECサイトの運営では、多くの場合売上を上げることが目的のため、その要となるお客様対応に慣れた人、つまりお客様に近いお仕事に関わっている方がお勧めです。例えば店舗のスタッフ、営業担当者、電話の受付担当者などです。ECサイトの運営では、実際のお客様との対面でのやりとりはありませんが、メールや電話での応対が発生するため、お客様対応に慣れていることが必要です。業務量にもよりますが、多くは元の仕事を兼務しながら担当してもらうことになると思います。同じようにSNSの場合は、扱うツールの種類、目的、ターゲットによって、店舗スタッフ、営業担当というように決めて実施してもらいます。

いずれの場合も、育成対象者を含めて担当者は必ず2名以上の体制にします。例えば上司とペアにする、経営者とペアにするなどです。理由は主に二つです。一つは良好なコミュニケーションを取りながら、育成を支援できることです。育成対象者の成長を、成果を見ながらフォローし、自主的な学びを支援することが重要です。もう一つは情報の流出、損失を防ぐためです。ノウハウやそこで得られた情報は、会社の根幹に関わることが多いため、その育成対象者が辞めた場合のノウハウの損失を防ぐことや情報のセキュリティを管理します。いずれの場合も、「継続性」を意識して人選することがポイントです。その点から、ある程度会社の文化に馴染んだ社歴のある方が良いと思います。

コラムニストプロフィール

荒井幸之助(あらい・こうのすけ)

東日本旅客鉄道株式会社に入社後、事業創造本部にて駅ビル開発プロジェクトなどに従事。独立行政法人都市再生機構では、東京の駅前再開発などに携わる。株式会社ハッピーコンビを設立後は、経営者の右腕育成を中心に、中小企業の支援にあたっている。

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