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製造業

事例集03:ホームページは「ひとりの営業部員」 大切に育てていきます

2021/03/29

株式会社トキワ

Q 会社の歴史を教えてください

A

弊社は昭和5年に「常盤防水布商会」という社名で祖父が雨合羽の製造販売を始めたことをルーツに、父が二代目、私が三代目になります。オンリーワンのレインウェアを作り続け、90年以上の歴史を刻んできました。創業者の祖父は、茨城県の農家の長男として生まれましたが「東京で一旗揚げたい」という思いで上京したそうです。ところが「一旗揚げる」のは簡単なことではありません。どんな商売をしてもうまくいかず、あきらめて故郷へ帰ろうと、お世話になった方へ挨拶に出向いたとき、たまたま雨合羽作りを目にしたと言います。「よし!これで最後に勝負してみよう」と再起を決意。その「最後の勝負」が株式会社トキワの源泉となりました

※写真 代表取締役 萩原 重睦

新商品は従業員がアイデアを持ち寄るミーティングが起点となり登場する。
サンリオとライセンス契約を結び登場したハローキティレインコート。ターゲットは自転車を利用するママさんだ。

Q 業界の動向を教えてください

A

私が社長を引き継いだころまでは、防水加工や防水縫製が特殊な技術であるため、アウトサイダーの参入はありませんでした。しかし、各メーカーが生産拠点を海外へ移したころから、業界内の分布図が大きく変化し、国内の専業メーカーが急速に減少していったのです。でも、日本に雨が降らなくなったわけではない。雨が降ればレインウェアは必要になります。弊社独自の技術には絶対の自信を持っていましたから、苦しい時期も常に前を向いて経営を行ってきました。

たとえば、東京都中小企業振興公社から案内を受けて出展した「東京くらしのフェスティバル」をきっかけに、サンリオからライセンス契約のお話をいただきキャラクターをあしらったレインウェアの販売が実現しました。また、自転車やオートバイの乗降を繰り返す新聞配達員用レインウェアで培ってきた高い実用性・安全性・耐久性の技術をコロナ禍で注目されるデリバリー配達スタッフ用に活かして展開したりと、専業メーカーである弊社にしかできない製品作りに取り組んでいます。ニッチな商品でも誰に販売するのかを考えていけば事業の成長は図れるのです。

Q コロナ禍の影響はいかがでしたか

A

当初は、まったく影響なかったのですが、5月に入ると受注が激減。それは経験したことのない落ち込みでした。考えてみれば、当時は人が外に出ていないわけですから雨具も必要ありません。また、対面での営業活動ができなくなったことも大きな痛手になりました。北海道から九州まで飛び回るのが私どもの日課でしたから、厳しい現実を突きつけられたのです。

Q オンライン活用に至る経緯などを教えてください

A

コロナ禍によりあらためて対面営業の重要性を思い知ったわけですが、悲観していても前には進めません。それに代わる営業法を毎日毎日考えました。そうした中、公社のオンライン販路開拓事業と出会い、アドバイザーの方から、ホームページなどを活用して「強みと特化した技術を打ち出す」ことを勧められました。たとえば、弊社の新聞配達員向けレインウェアのパンツの丈はボタンの付け替えで三段階に伸び縮みできたり、一般向け商品も小柄な方から大きな方までカバーする9サイズ展開をしています。それは弊社にとっては「当たり前」のこと。でも、客観的に見ればそれこそが強みなのだということに気づかされたのです。

私は、ホームページを「ひとりの営業部員」へ成長させていこうと考えました。そのためには、コンテンツの内容と情報の新鮮さがポイントになり、新しい情報は自らの手でスピーディにアップしていくことなど、アドバイザーの方からは様々なことを学びました。

実は、従業員とはコロナ禍になる少し前から「ホームページやSNSにも力を入れていこう」と話をしていたのです。きっかけは、ホームページを見たという公的な団体や大手通信会社からの大量受注でした。

Q これからもオンライン活用を推進していきますか。

A

ホームページの内容を充実させて実感したのは、ユーザーは隅々まで見ていて、WEBから製品・企業情報を得るのが「当たり前」になっているということです。それはBtoBでもBtoCでも変わりません。 これからの対面営業は、オンラインでは伝えきれないことをお話するだけのカタチになるでしょう。お客様にとってそれが効率的なのです。

コロナ禍は、この数年のうちに収束していくと思います。でも、オンラインへの取り組みを止めるつもりはありません。対面営業と上手に組み合わせていこうと考えています。たとえば、新規客との商談では初回を対面として、その後はオンラインでの打ち合わせに切り替えたり、地方の顧客を訪ねるのは年に1回程度に抑えようとも考えています。今後は弊社のホームページを知ってもらうための取り組みとして、SNSを活用した情報発信を強化していくつもりです。

従業員のコメント

プログラミングの知識はまったくありませんでしたが、公社のアドバイザーの方が基礎から丁寧に教えてくださり少しずつ覚えていきました。今では、日々の更新作業は不安なく行えています。お問い合わせの件数が増え、それに伴い受注数も多くなっているので達成感があります。

営業部 主任 福谷 美穂さん

企業情報

企業名株式会社トキワ
所在地千代田区外神田6-4-5 藤和妻恋坂コープ9階
ホームページURLhttp://tokiwa1930.co.jp/
設立1930年
事業内容レインコートをはじめとした防水製品の企画・製造・販売
資本金1,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません