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製造業

事例集01:新規客との出会いの場を展示会からオンラインへ転換

2021/03/29

有限会社オクギ製作所

Q 創業からの変遷を教えてください

A(和氣幸博 社長)

1951年に父が創業した弊社は、当初は主にプレス金型製作と量産加工を行っていました。80年代に入ると放電加工機による金型製作が普及し始めましたが、当時はまだワイヤー放電加工を請け負っても、弊社には技術もマシンもなく、協力会社にお願いしていました。もちろん、自社生産のほうが遥かに利益が出ます。ということで、私が事業を継承した後、1985年に放電加工機を導入して、独学でその技術を習得しながらワイヤー放電加工に本気で取り組んでいったのです。2代目社長としての意地もありましたから、毎日ひとりで夜中まで作業していました。以来、弊社は30年以上にわたり年間60種類以上の金属を加工してきました。その経験により習得したノウハウがあり、他社では困難な加工も成功させてきた実績があります。
電極となるワイヤー線に電流を流して金属を精密に切るワイヤーカット放電加工は、旋盤などを用いる切削加工とは異なり、マイクロメートル(µm:1ミリの1000分の1)単位で極精緻にカットすることができるため、半導体装置や宇宙・真空関連、医療用機器など緻密さが求められる部品製造に用いられています。

※写真:代表取締役 和氣 幸博(左)/取締役 和氣 直道(右)

ワイヤーカット放電加工機は水と油の両タイプを保有。
オクギ製作所の技術力を象徴する販促用品。多くのメディアで紹介されている。OKUGIの文字を下げるとまさに消える。

Q コロナ禍の影響はどうでしたか

A(社長)

弊社は量産品の製作が少なく、企業の開発部門や大学の研究所からの依頼が多いため、昨年4月ごろまでの業績は順調でした。しかし、5月~7月は売上げが激減しました。でも、オイルショック、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災などの大きな危機を経験してきたので、焦る気持ちはなかったです。こういう時期はいずれ回復すると信じて、目の前にある仕事をコツコツやっていくしかないのです。これまでと異なっていたのは、政府や東京都から税の減免や助成金の支援があったことです。そこで時間に余裕のある今しかないと思い設備投資をしました。弊社の生命線ともいえるマシンを上位グレードに入れ替え、デジタル化にも取り組み、前へ向かって動き出す準備をしていました。

Q オンライン販路開拓への取り組みについて教えてください

A(和氣直道 取締役) 

コロナ禍は全世界の人々の生活スタイルが変わる大きな転換点になると思っています。小さな町工場も仕事のやり方を変えていく必要があると感じていました。これまでは展示会が新規客との出会いの場となっていたのですが、コロナ禍では展示会も開催されません。テレワークやオンライン会議も増えており、名刺交換さえできなくなっているのです。この流れはコロナ禍が収束しても止まらないと思います。そこで弊社でも、テレワークやホームページのリニューアルなどに取り組むために、公社からオンライン販路開拓のサポートをいただくことにしたのです。

私は前職がウェブSEでしたのでプログラミングはできるのですが、デザインやコンテンツの構成などは知識がないので専門家であるアドバイザーにアドバイスをいただきました。また、グーグルアナリティクスを使った効果測定のやり方、その分析結果をもとにしたターゲットの設定、リスティングなどの広告出稿などを教わりました。結果、ホームページやSNSの運営、さらにデジタルマーケティングなどの理解が深まったと感じています。

現在はランディングページを作成して広告出稿にもトライしています。今回のオンライン販路開拓への取り組みはすぐに結果は出ないかもしれません。でも、アドバイザーの方の助言で追加したコラムページは私なりに効果的だと思っています。検索キーワードを分析すると、このコラムからの流入が明らかに増えているので手応えも感じています。

Q 今後、オンライン販路開拓にはどのように取り組んでいきますか

A(取締役) 

ホームページを品質管理の手法であるPDCAサイクルにあてはめてみると、P(計画)やD(実行)よりも、C(評価・解析)やA(改善)のほうが重要なのだということを学びました。そこでまだ試験段階なのですが、マイクロソフトが公開したクラリティを導入してみました。これは、ホームページを見ている人が、どのような操作をしているかを分析するのに役立つユーザー行動分析ツールなのですが、グーグルアナリティクスやヒートマップなどのツールと組み合わせて解析と改善を繰り返していこうと考えています。オンライン販路開拓には今後も積極的に取り組んでいきます。

担当者のコメント

YouTube動画にも力を入れていきます

少し前のことですが、YouTubeにアップした動画の再生回数が伸びて、驚くほど多くのコメントが寄せられた時期がありました。調べてみると、同時にホームページのアクセス数も増えていました。やはり、HPとYouTubeはつながっているのです。今後はYouTube動画とSNSにも積極的に取り組んでいきます。

自社ホームページ

有限会社オクギ製作所のYoutube動画はこちら

企業情報

企業名有限会社オクギ製作所
所在地東久留米市八幡町3-14-27
ホームページURLhttps://okugiss.jp
設立1951年
事業内容プラスチック板プレス加工、細線のワイヤーカット放電加工機を利用した超精密微細高精度部品加工
資本金500万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません