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<社長向け>~中小企業の強み抽出の“コツ”と効果的な情報発信~

波多江 敏彦(はたえ・としひこ)

2021.01.28

既に読まれている方が多いとは思いますが、ビジョナリーカンパニー2‐飛躍の法則(著者 ジェームス・Cコリンズ)に「針鼠の概念」というものがあります。針鼠自体は非力だか唯一の武器である全身の棘で、強力な外敵からの攻撃に勝つこと意味します。つまりビジネスの世界に置き換えると、他社に負けない強みを持つことが大切であり、その強みを情熱的に、得意な方法で、人の役に立つことを考えて取り組むことが重要とされています。

さて、この度はオンライン販路開拓モデル構築のアドバイザーとして、何人かの社長にインタビューをさせて頂いた中で、他社に負けない強みを持ち、販路拡大を目指す企業者について、現状や今後の取組みなどについて紹介して参ります。

本題に入る前に現在のコロナ禍の企業様の状況ですが、小売業やサービス業の一部を除き、多くの中小企業者は事業の中断、停滞、あるいは事業転換、撤退などを余儀なくされ、それに伴う大幅な売上高・利益の減少も深刻な状況になっています。今後とも国や都道府県・地方自治体をあげて中小企業者のご支援に取組んでいく中で、アフターコロナを見据えた取組みが重要になってきます。

また社長インタビューに中で実感したことは、例えコロナが収束しても、完全にコロナ前の状況に戻ることは無いというのが大半の意見です。そもそも変化の激しい時代になっていて、コロナがその変化を加速させたとも言えます。5年先、10年先の働き方の姿、生産性向上のあり方、デジタル化が前倒しで起ころうとしています。

それでは今回、社長インタビューの中から、意外と多くの中小企業が①自社の本質的な強みやそこから生まれる商品・サービスの特徴の整理、それらを如何に外部に②効果的に情報発信していくのかに苦心されていていることが分かりました。取材を通じて皆様のご参考になりそうな内容を順に紹介して参ります。

1.強み抽出の“コツ”について

よく強みを問われると商品・サービスの特徴を言われることが多いですが、ここでいう強みは企業のもつ「本質的な強み」「中核的な強み」のことを意味します。この強みにより商品・サービスが繰返し生み出されることにもなります。

意外にも自社の本質的な強みは分かり難いことが多いようですが、社長のインタビューを通じて、企業の歴史の中で培ってきた自社の独自性、人や組織に落とし込まれた強み、複合的な強みの組み合わせに強みがあるものの、それを旨く表現したり、図式化したりすることは難しいようです。(だからこそ他には真似できない強みになっているのも事実ですが。)

そこで、本質的な強みを抽出するコツを下記に挙げていきます。

  1. ひとつは会社創立~現在までの経緯を振り返ってみることだと思います。その中で、繰返し旨くいっていることや成功事例を挙げてみると、それが自社の強みであることが再認識できます。このように強みは良い経験が積み重なって、更に強固なものになります。
  2. 次に、よく経営資源として、人・モノ・金・情報などと言われますが、それぞれ単独で強みになることは少ないと考えられます。例えば人が設備(モノ)を管理し使いこなす卓越した技術や情報を取捨選択する人のノウハウは、複合的で真似されにくい強みと言えます。
  3. さらに、個々人がもつ強みが組織の強みとして生かされていないケースもあります。これは強みが暗黙知(優秀な社員がもつ言語化されていない経験則)であり、形式知(優秀な社員の知識を言語化・図表化したもの)として組織内で理解されていないことを意味します。個々の強みを平易な文章とし、あるいは図式化することで組織全体が活用できる強みにできることが多いようです。

以上、自社の本質的な強みを自社の商品・サービスに紐付けて、繰返し生み出すことのできる自社の能力を認識することが重要になります。

2.効果的な発信方法について

では次に、自社の本質的な強みを生かした商品・サービスを、如何に効果的に発信していくかに苦心されておられる企業トップの悩みも伺うことが多いです。コロナ禍の中、また限られた経営資源の中で、これ迄の対面営業では売上拡大に限界があるため、これからは如何にWebを効果的・効率的に活用していくかが共通の課題とのことです。

以下、ここでは特にWeb活用による商品・サービスの効果的な情報発信に工夫をしている企業の取り組みを紹介致します。

  1. 先ずは、上述の自社の本質的な強みやそこから生まれた商品・サービス等を整理して、どの顧客に向けて、自社の何を、どの様な手段で伝えるかを明確にすることが先決です。社内の主要メンバーとペーパーベースでじっくりと納得いくまで検討することをお勧めします。その時のコツとしては、出来るだけ短く、端的に伝わるフレーズで表現できるまでに中身を磨き上げていくことが大切です。
  2. 次に、出来るだけ多くの顧客に効果的に自社情報を発信できるように、自社のホームページの作成・見直しを考えます。サイトを訪れた方が分かり易いキャッチコピー、顧客が知りたい情報提供(企業、商品・サービスなど)、顧客が具体的な行動に移れる工夫などを考えて頂ければと思います。その際、書籍やネットなどでホームページ作成に関する作成手順を確認し、必要に応じて外部委託者を活用することをお勧めします。
  3. また動画を活用してビジュアルや音声で分かり易く自社の強みや商品・サービスの特徴を訴求することも効果的なようです。文章や写真では表現が難しいことも、動画であればリアルに魅力的で、且つコンパクトに伝えることが可能です。Webサイトを作成の際は、是非検討してみて下さい。

上記ができている企業様は、ブログやSNS(ツイッター、フェースブック、インスタグラムなど)による情報発信及び、ランディングページ(Web広告などに紐付いたユーザーが最初に訪れるページ)作成により顧客との情報交流を有効に活用されている企業も増えてきました。

以上、今回は意外と難しい、企業の本質的な強みを如何に抽出するかと、効果的な情報発信について紹介してきました。既にある自社の中にある強みを明確にし、より磨きをかけて、またデジタル技術を旨く活用することで、ウイズコロナに打ち勝ち、アフターコロナでステップアップできる準備をして頂ければ幸いです。

コラムニストプロフィール

波多江 敏彦(はたえ・としひこ)

大手メーカーで営業企画、従業員教育、海外事業の立上げに携わり、退職後は国際経営学(MBA)や中小企業診断士の資格を活かし中小メーカー・小売・卸業の支援、執筆業、セミナー・講師業などに従事。

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