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初級向け、デジタルマーケティング関連用語

公開日:2023/02/28

藤原哲史(ふじわら・さとし)

デジタルマーケティング、Webマーケティングに関わるようになると、専門用語に触れる機会が多くなると思います。後で調べれば分かる内容ではありますが、セミナー受講時や打ち合わせ時に用語を知らないと、相手の話を理解できず、取り残されたような気持ちになってしまうこともあるのではないでしょうか。今回は、初級レベルの方に押さえておいてほしいデジタルマーケティング関連用語を厳選してご紹介していきます。

1)Webサイトに関する用語

キャッシュ

閲覧したWebページの情報を一時的にユーザーのPCやスマートフォン、タブレット等のブラウザに保存する仕組み。二回目以降アクセスした際に表示が早くなる。

クッキー

閲覧したWebサイトからユーザーのPCやスマートフォン、タブレット等のブラウザに保存される情報。サイトを訪れた日時や、訪問回数などユーザーのユニークデータに関するさまざまな内容が記録されている(データは個人を特定する情報ではない)。

ランディングページ(LP)

自社の企業情報や製品・サービス情報を複数ページで紹介し、自社への興味関心を高めていくことを目的とするホームページ(コーポレートサイトや製品サイト)に対し、問い合わせや資料請求、購入などのユーザーアクションを目的とし、1ページに情報をまとめたWebページのことをランディングページという。Web広告のリンク先として運用されることが多い。広義には、ユーザーが最初にたどり着いたWebページのこと。

リダイレクト

WebサイトやページのURLを変更した際、変更前の古いURLにアクセスしたユーザーを自動的に新しいURLに転送をする仕組みのこと。

サイトマップ

サイトを訪問した人や検索エンジンに、そのWebサイトにどのようなページが存在するかを伝えるためのページやファイル。Webサイト内のコンテンツをカテゴリーごとにリスト形式で表示してWebサイト訪問者にページ情報を案内する「HTML サイトマップ」と、サイト内の構造やコンテンツの情報を検索エンジンに早く、的確に伝えるための「XMLサイトマップ」の2種類がある。

コーディング

Webデザインをブラウザ上で見える形にするためにソースコードを記述すること。記述言語はHTML(エイチティーエムエル)やCSS(シーエスエス)、JavaScript(ジャバスクリプト)などを主に使用する。

HTML(エイチティーエムエル)

Hyper Text Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)の略で、Webサイト上の文書を記述するための言語のこと。検索エンジンが見出しや本文などの文章構造を正しく理解したり、各ページ間をリンクで移動したりできるようにする。

CSS(シーエスエス)

Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイルシート)の略。HTMLで作られたWebページのレイアウトやデザイン等を構築するための規格。文字の太さや大きさ、各部の色や位置などもCSSによって指定する。

レスポンシブWebデザイン

PC、スマートフォン、タブレット等、それぞれのデバイスの画面サイズに最適化された表示を一つのHTMLで実現する制作手法。CSSでレイアウトを自動的に調整する。

CMS(シーエムエス)

Contents Management System(コンテンツ・マネジメントシステム)の略。HTMLやCSSの知識がなくても、管理画面を通して記事や画像を登録・更新できるシステムのこと。CMSの代表例としてWordPress(ワードプレス)が挙げられる。

SSL(エスエスエル)

Secure Sockets Layer(セキュア・ソケッツ・レイヤ)の略。簡単に説明するとWebサイトとそのサイトを閲覧しているユーザーとのやり取り(通信)を暗号化するための仕組みのこと。WebサイトのすべてのページをSSLで暗号化して送受信することを「常時SSL」という。常時SSL化するとサイト内のすべてのページのURLが「http://」ではなく「https://」で始まるようになり、サービスの安全性や信頼性が高まる。

2)SEOに関する用語

SEO(エスイーオー)

Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略で、直訳すると「検索エンジン最適化」。Google、Yahoo!等の検索エンジンからWebサイトへの流入を増やす施策のこと。特定のキーワードで検索された際の検索結果に、自社のWebサイトのページが上位に表示されるように、サイト内のページ、コンテンツ、さらにサイト外の要因を調整する。ちなみにGoogle、Yahoo!等の検索結果に掲載できる広告のことをリスティング広告という。ともに検索結果の上位に表示させるための施策であるが、違いとして「SEO対策は自社で行えば費用はかからないが成果が出るまでに時間がかかる」のに対し、「リスティング広告は有料であるが即効性が高い」点が挙げられる。

ビッグワード

SEOにおいて、検索エンジンで検索頻度の高いキーワードのこと。ビッグワードの特徴として、抽象度が高く、汎用的な言葉である点が挙げられる。ビッグワードをSEOに使うと、検索結果が膨大になり競争率が高い。検索結果数、競争率に応じてスモールワード、ミドルワードも存在する(【例】千代田区で不動産業を営んでいる会社の場合:「賃貸」や「千代田区」はビッグワード。複合キーワードの「千代田区 ワンルームマンション」はスモールワードとなり、「賃貸マンション」ならミドルワードとなる)。複合キーワードとは、複数の単語を合わせたキーワードである。

検索クエリ

検索エンジンを利用するユーザーが、情報や商品を探すために検索エンジンの検索窓に入力した検索語(キーワード:単語やフレーズ、複合語)のこと。検索クエリは、オーガニック検索結果の場合はアクセス解析、リスティング広告の場合はアカウント管理画面で調べることができ、自社のWebサイトにどんなキーワードでユーザーが流入しているかを知ることができる。

オーガニック検索

「自然検索」とも呼ぶ。検索エンジンの検索結果画面において、リスティング広告による広告表示を除き、ユーザー自身が検索した結果として表示される部分のこと。

アルゴリズム

SEOにおいて、検索エンジンが検索結果に表示するページをランク付けするための計算ルールのこと。例えば、Googleは検索結果を生成するためのアルゴリズムとして200件以上の指標を使用していると公表している。

被リンク

該当のWebサイトに対して外部のサイトからリンクが張られること。Googleアルゴリズムでは、この被リンクの数と質が一つの評価項目として挙げられている。

3)アクセス解析に関する用語

アクセス解析

自社のWebサイトの問題点の把握や課題解決の糸口を見つけるために行う分析のこと。Google Analytics(グーグル・アナリティクス)などのアクセス解析ツールを利用し、専用のタグをWebサイトに埋め込むことで、ユーザーの行動データを計測することが可能になる。

PV(ピーブイ)数

Page View(ページ・ビュー)の略で、Webサイトや特定のページが何回見られたか(ブラウザに何回表示されたか)を示す数値のこと。

セッション

Webサイトにアクセスしたユーザーが、サイト内を閲覧し、離脱するまでの一連の行動をまとめたもの。このセッションをカウントしたものが、セッション数や訪問数と呼ばれる。

直帰率

直帰とは、サイト訪問時に最初にアクセスしたページから移動せず、サイトから離脱してしまうこと。直帰率はその割合を示し、「直帰率=直帰したセッション数÷全セッション数」で計算される。一般的に「直帰率」が低いほうがページの評価が高いといえるが、ページの目的にもよるため、すべてのページに該当するわけではない。

離脱率

離脱とは、当該のWebサイトから移動したり、ブラウザを閉じたりしてセッションが切れること。離脱率は、セッションにおける最後の閲覧ページになった割合を指し、ページにやってきた人が、どれくらいの割合で離脱したかを示し、「離脱率=離脱したセッション数÷全ページビュー数」で計算される。一般的に「離脱率」が低いほうがページの評価が高いといえるが、ページの目的にもよるため、すべてのページに該当するわけではない。

回遊率

1回のセッションで、ユーザーが何ページ閲覧(回遊)したかを表す割合のことを示し、「回遊率=ページビュー数÷セッション数」で計算される。一般的に「回遊率」が高いほどユーザーの関心度が高いため、ユーザーからの評価が高いWebサイトだといえる。

Unique User(ユニークユーザー)数

特定の期間中にWebサイトに訪問したユーザー数のこと。期間内に1人のユーザーが複数回サイトに訪問した場合でも、ユニークユーザー数は1となる。ユーザー数に関連する指標として、新規ユーザー数やリピーター(リピート・ユーザー)数がある。

4)その他デジタルマーケティング用語

トリプルメディア

マーケティングを行う際に利用する媒体を【アーンドメディア】【オウンドメディア】【ペイドメディア】の3つに分類したもの。

  • アーンドメディア
    アーンド(earned)は「獲得する」の意味で、「信頼や評判を獲得するためのメディア」のことを指す。ブログやSNS、口コミサイトを通して、ユーザーやフォロワー、インフルエンサーによって生成される。
  • オウンドメディア
    オウンド(owned)は「所有する」の意味で、企業自らが管理・運営し、ユーザーに向けて発信する媒体のことを指す。自社のWebサイトやブログ、メールマガジンなどが該当し、情報発信やブランディングなどを目的に運用される。
  • ペイドメディア
    ペイド(paid)は「支払う」の意味で、有料メディアである広告媒体のことを指す。「認知を向上するメディア」である。

コンテンツマーケティング

ユーザーが必要としている情報を価値のあるコンテンツとして制作・提供し続け、見込み客を育成し、コンバージョンにつなげるためのマーケティング手法のこと。提供するコンテンツは多様で「オウンドメディアの記事、動画、メールマガジン、セミナー・説明会」等が含まれる。すぐに売り込みをするのではなく、顧客にとって有益な情報を継続的に提供し、関係性を深めることが重要となる。

メールマーケティング

メールを活用して顧客とコミュニケーションを図り、最終的にコンバージョンへと導くマーケティング手法のこと。既存顧客との関係維持や取引拡大を狙う施策から、新規顧客へのアプローチとして活用する施策もあり、コンテンツマーケティングと連携することで効果が高まる。

ペルソナ

「自社の商品・サービスを利用する典型的な顧客像」を意味し、ペルソナを決めることを「ペルソナ設定」と言う。性別、年齢、職業、家族構成などの人口統計学的属性だけでなく、趣味、嗜好、ライフスタイル、価値観などのパーソナリティに関する項目も設定し、リアリティのある詳細な人物像に落とし込んでいく。その結果、より戦略的かつ効率的にマーケティングを進めることができる。

KPI(ケーピーアイ)

Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インジケータ)の略で、「重要業績評価指標」を意味する。最終的なゴールとして設定した目標達成のために必要な進捗やプロセスのうち重要なものを定量的に計測するための指標である。

KGI(ケージーアイ)

Key Goal Indicator(キー・ゴール・インジケータ)の略で、「重要目標達成指標」を意味する。売上や利益など当該事業における目標を特定の期間において定めた指標であり、KGIをKPIへとブレイクダウンし、測定可能な目標に細分化して成果を見ていく。ビジネスにおいてKPIやKGIを設定することで、関係者の間で目標を共有できるほか、課題が明確になる、PDCAを効果的に回せる、モチベーションアップにつながるなどのメリットがある。

5)効果指標に関する用語

インプレッション

Web広告において、広告が表示された回数のことで、ブラウザ上で表示された回数を示す。表示回数とも呼ばれ、IMPとも略記される。

CVR(シーブイアール)

Conversion Rate(コンバージョン・レート)の略。コンバージョンとは、マーケティングにおける最終的な成果のことを指す。「商品購入、会員登録、資料請求、問い合わせ」等、何をコンバージョンとするかは事業者や目的によって異なる。コンバージョン率は、サイトへのアクセスのうちコンバージョンに至ったアクセスの割合を示し、「CVR=コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション数)×100」で計算される。

CPA(シーピーエー)

Cost per Acquisition(コスト・パー・アクイジション)の略で、顧客獲得単価を意味する。1件のコンバージョンを獲得するためにかかる広告コストのことで、「CPA=広告コスト÷コンバージョン数」で計算される。マーケティングプランを計画するための目標数値として設定される重要な指標である。

CPC(シーピーシー)

Cost Per Click(コスト・パー・クリック)の略で、Web広告がユーザーの1クリックを獲得するのにかかる費用のこと。クリック単価とも呼ばれる。平均クリック単価は、「CPC=広告コスト÷クリック数」で計算される。クリック課金型の広告(リスティング広告など)で使用される指標である。

CPM(シーピーエム)

Cost Per Mille(コスト・パー・ミル)の略で、Web広告を1,000回表示するごとに発生する広告費用のこと。インプレッション単価とも呼ばれる。純広告やアドネットワークを使用した広告配信で使用される指標である。

CTR(シーティーアール)

Click Through Rate(クリック・スルー・レート)の略で、クリック率のこと。インプレッション数であるユーザーへの広告の表示回数のうち、ユーザーが広告をクリックした回数の割合を示し、「CTR(%)=クリック数÷インプレッション数(広告の表示回数)×100」で計算される。

ROAS(ロアス)

Return on Advertising Spend(リターン・オン・アドバタイジング・スペンド)の略で、広告の費用対効果を示す指標である。投資した広告費に対して得られた売上の割合を示し、「ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)」で計算される。

ROI(アールオーアイ)

Return on Investment(リターン・オン・インベストメント)の略で、投資収益率(投資金額に対する利益の割合)を示す指標である。マーケティングにおいては、投資額は広告費などのマーケティング活動に費やした費用のことを示し、一般的に「利益÷広告コスト×100」で計算される。

初級向けとして基本的な用語を紹介してきましたが、デジタルマーケティング関連用語はカタカナ英語や略語が多く、覚えにくいかと思います。しかし大切なのは用語を覚えることでなく、意味を理解することです。本記事をきっかけに自らも調べるなどして理解を深めていってください。

コラムニストプロフィール

藤原哲史(ふじわら・さとし)

中小企業診断士、ITコーディネータ、上級ウェブ解析士。出版社、広告代理店・制作会社にて企画・編集・制作業務に携わった後、2019年に株式会社クレビスを設立。現在、企業のマーケティングコミュニケーション活動(Webマーケティング、ブランディング、広告宣伝、販売促進、広報/PR)の戦略立案・実行・改善の支援に従事している。