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MEOって何? お店への集客の特効薬は地図情報だ!

公開日:2022/11/08

原田隆治(はらだ・たかはる)

「SEO」という言葉を聞いたことのある方は多いと思います。これは、『Search Engine Optimization』の略語で、日本語にすると『検索エンジン最適化』となります。自社のホームページで様々なSEO対策に取り組み、検索結果の表示順位を上げようと頑張っている会社や店舗も多いことと思います。

一方で、最近取り上げられることの多くなってきた「MEO」とは何でしょうか?こちらは「SEO」とE・Oの意味は同じですが、『Map Engine Optimization』の略語で、日本語にすると『地図エンジン最適化』という意味です。つまりは、Googleマップを対象とした地図エンジンにおいて最適化を図ることを指します。

このコラムでは、簡単なMEO対策で検索結果の順位を上げるための基本的な方法を紹介します。リアル店舗を持つ経営者・担当者の方は必見です!そしてこのコラムを読み終わった後の10分くらいの作業であっという間に検索順位が急上昇!なんてことも夢ではないかもしれません(もちろん、順位は相対評価なので競合店の対策状況やアルゴリズム〈順位付けを行う手順や計算方法〉の変更等により順位は常に変動します)。

まずは、自店舗が検索されそうな「地名+業種」のワードで検索してみましょう

ユーザーはリアル店舗を検索する場合、「地名+業種」のようなワードを入れることが多いですよね。「原宿 イタリアン」とか「お花茶屋 マッサージ」のように。あなたのお店の「地名+業種」の検索結果はどうなっていますか?

最近では、Google検索で地名や駅名などのキーワードを含めたワードで検索すると、いちばん上(または一部の検索連動広告表示の下)に「お店やサービス」というタイトルで、地図とセットになって3店舗ほどのお店の情報が表示されると思います。この地図と店舗3件が表示されている検索結果画面は「ローカル検索結果」と呼ばれていて、Googleマップの情報と連携されているものです。

そして3件の店舗情報をクリックするとGoogleマップ上で店舗の詳細情報を見た時と同じ「Googleビジネスプロフィール」(※2021年11月に「Googleマイビジネス」より名称変更されました)と呼ばれるコンテンツが表示されます。Googleマップを開かなくてもこうした情報がGoogle検索のトップに来ることでユーザーとしての利便性は向上しました。

そして、このことが何を意味するかというと、「自然検索(オーガニック)で1位になるよりもさらに上に、ローカル検索結果での1~3位が表示されている!」「しかも地図や口コミ評価の得点、営業時間や場合によっては写真も付いているから自然検索よりも情報が豊富!」ということなのです。必死にSEOを頑張って自然検索1位になっているサイトを横目に、テーマパークのアトラクション優先券かのようにスルリと先頭に入って来るツワモノがこのMEOの勝者という訳なのです。しかも無料で。

さらに言うと、「地名+業種」で検索するユーザーはそのワードの性質上、かなり近いタイミングで行動を起こす可能性が高いと言えます。「東十条 ラーメン」で検索する人は、もう既に東十条駅の周辺でラーメンを食べることは決めていて、どの店にするのかだけを悩んでいる可能性が高い訳ですから、ここで高い順位を得ることの重要性は理解できるかと思います。

こうしたことが無料でできてしまい、そして狭い地域内に存在する店に限定されているため、SEOのように上位を大手企業に独占される状況にもなりにくい、という中小企業や個人経営の店舗にとって非常に戦いやすく得るものも大きい環境なのですが、意外にもまだGoogleビジネスプロフィールに対応していないお店や業者さんが、特に飲食以外の業種では数多く存在します。さあ、あなたのお店もすぐできるMEO対策で新規の来店者を増やしてみませんか?

ローカル検索結果の順位はどうやって決まるの?

では、どのようなロジックでローカル検索結果の順位が決まっていくのかを説明していきたいと思います。

MEOで評価されるロジックについては、Googleが「ローカル検索結果のランキングが決定される仕組み」としてビジネスプロフィールのヘルプセンターで公開しています。そして重要なことは以下の3つと書かれています。

 ① 関連性
 ② 距離
 ③ 視認性の高さ

まず①の関連性ですが、検索されたワードとビジネスプロフィールに書かれた内容が合致する度合いが高いと上位に表示される可能性が上がります。例えば、「銀座 寿司 接待」と「銀座 寿司 安い」で検索した時の結果や順位は全く異なるべきですよね。ユーザーが欲している情報を的確に提供できるよう、Googleとしても関連性の高さには注意を払っているということです。ここは、各店舗側でも努力できるところかと思います。

そして②の距離ですが、検索された地名と店舗の位置の距離のことです。または地名のない検索ワードの場合では、検索したユーザーの現在地情報からの距離が計算されます。これは対策しようのないところなので、店舗側でできることは正しい住所を入れることくらいです。

最後に③の視認性の高さですが、これは何のことかというと、その店舗がどれだけ知れ渡っているかという指標になります。具体的にはオンライン上にどれだけ店舗情報が表示、掲載されているか、あるいはクチコミや評価としてSNSやポータルサイトに掲載されている情報が多いか、といったことです。ビジネスプロフィール上のクチコミ数や評価も関係があります。こちらの対策は一朝一夕にはできませんが、いわば総合力のようなことなので、地道に頑張っていくしかありません。

Googleはこれらの3つの要素を組み合わせ、ユーザーの求める最適な検索結果を表示できるよう検索順位に反映させています。

Googleビジネスプロフィールを埋め尽くそう

では、いよいよビジネスプロフィールの登録やオーナー認証を進めてローカル検索結果の上位を目指しましょう。

ちなみに、お気づきの方も多いと思いますが、ポイントは検索結果の3位までに入らないといけない、というところなのです。もちろん「さらに表示」で4位以下を見ることもできますが、ワンクリック(タップ)入ってしまいますので、露出は大きく減ってしまいます。トップから3位以内を目指しましょう!

すでに営業している店舗ではほとんどの場合、Googleマップ上で店舗情報であるビジネスプロフィールが登録されていると思います。これは、店舗側が自分たちで登録していなくても、公式ウェブページやさまざまなネット上の情報からGoogleが(勝手に)作成し、それにユーザーがコメントしたり編集したりして出来上がったもので、Googleマップでも店舗情報が検索できる状態になっていることが多いかと思います。

ただ、ここで止まっている(=お店側では何もやっていない)ビジネスプロフィールが結構多く存在します。もしあなたの店舗がこの状態だった場合には、登録済みのビジネスプロフィールに対してオーナー確認の手続きをし、管理できる権限を取得する必要があります。

オーナー確認をするには、ローカル検索結果またはGoogleマップで自店舗のビジネスプロフィールを開きます。すると「このビジネスのオーナーですか?」という表示が出てきます。ここをクリックすると現時点では管理者不在なので、「このビジネスを管理して、クチコミへの返信や連絡先情報の更新を行いましょう」という画面に進みます。

そこからオーナー確認の画面に進むと、6桁の数字で確認コードを求められます。ビジネスプロフィールにもともと登録されている電話番号がある場合は、その電話番号に確認コードがSMSまたは通話で通知されるようになっています。それらができない場合は、ハガキを選択することも可能で、Googleらしくないかもしれませんが、確認コードの書かれたハガキが10日ほどで届きます。 

この確認コードを入力すれば、無事オーナー確認は終了でビジネスプロフィール上の情報を編集できることになります。

そしていざ、情報の編集です。項目ごとに注意事項を書きましたのでそれぞれ確認しながら入力しましょう。

ビジネス名
自社のHPなどと表記ゆれのないように注意しましょう。大文字・小文字やかなの付け方なども統一します。

ビジネスカテゴリ
検索結果に大きな影響のあるパートです。最適なメインカテゴリを選択しましょう。選択したカテゴリに付随する「サービスの追加」が後から出てきた場合、そちらも漏れなく入れておきましょう。

住所
こちらも自社HPなどと表記を統一します。できるだけ、数字は全角、ハイフンは半角、丁目は文字で入れましょう。

電話番号

営業時間

ウェブサイト
ローカル検索結果を見てもお分かりの様に、URLのあるビジネスプロフィールの方がたいてい上位に表示されます。重要なので必ず入れましょう。

説明
自由に記述できる箇所になります。例えば、住所の町名と駅名が異なる名前の場合は駅名での検索でも引っかかりやすくするため「〇〇駅徒歩3分」などと入れておくなど、検索されたい自店舗らしいキーワード(おしゃれ、デート、接待、子連れ、家族、個室、夜景、カジュアル、隠れ家、高品質、自家製メンマ、メニュー名など)を盛り込むことが重要です。もちろん、MEO(地図エンジン最適化)の観点だけでなく、コメントを読んだユーザーから興味を持たれるよう、独自性のある魅力的なコメントを入れましょう。

写真
オーナー提供写真として掲載されますので、外観・内装・商品サービス・スタッフなど感度の高い写真でイメージづくりを行いましょう。特に2階以上のお店や1階でも通りから店内が見えにくいお店は、内装の写真をたくさん載せることが重要です。アップされた写真が1枚もなくGoogleが自動で載せたストリートビュー画像のみのビジネスプロフィールでは、あまり流行っていない寂しいお店を連想させてしまいます。

クチコミ
クチコミの件数も検索順位に大きな影響を与えます。クチコミの件数を爆発的に増やしていくことはとても難しいことですが、既についているクチコミに対して丁寧に返信していくことは、それを見た別のユーザーに好印象を与えますので積極的に取り組まれることをお勧めします(ただし、返信の有無はMEOの順位とは無関係です)。また、稀に根も葉もない悪意あるクチコミが投稿されることもあります。こうした時にも誠意ある、そして毅然とした返答を行うことで誤解を防いでいきましょう。

上記の「説明」または「写真」までであれば10~20分程度で編集できるのではないかと思います。以前とある支援先企業で「説明」までの作業を行ったところ、「地名+業種」の検索結果で変更した瞬間からいきなり1位になってしまい社長が非常に驚きながら爆笑していました。

その他にも、1週間で消えてはしまうのですが、投稿機能を使って最新情報やキャンペーンなどを頻繁に発信していくことで順位を上げることもできます。

店舗のあるビジネスはローカルなワードで勝つことが非常に重要です。皆さんもMEOで高い効果が出て大爆笑できるよう、是非取り組んでみてください!

コラムニストプロフィール

原田隆治(はらだ・たかはる)

中小企業診断士。ダイレクトマーケティングに強い大手出版社にて25年、通信販売(カタログ・Eコマース)事業やマーケティング活動に従事。TVCMやLINEなどSNSの企画、新規事業開発、スマートホンアプリ開発、読者イベント開催など歴任。現在は中小企業の販促、営業等を中心とした支援を行っている。