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オンライン商談とリアル商談の際に心がけるポイントの類似点・相違点(2)

原田泰宏(はらだ・やすひろ)

2022.08.19

前回は、オンライン商談とリアル商談の共通ポイントについてご説明しました。今回は、相違点と必要な対応について解説します。

前回はこちら

オンライン商談とリアル商談の相違点と対応ポイント

 

オンライン商談とリアル商談の異なる部分とは何でしょうか。

 

それは、オンラインという特殊な環境への対応に他なりません。人間には五感がありますが、オンライン環境では視覚と聴覚にしか訴えることができません。ですから、視覚と聴覚に効率的に働きかけていけるかどうかが、オンライン商談の成功のポイントになります。では、リアル商談と異なる部分について見ていきましょう。

 

その1:視覚情報・聴覚情報の重要性の認識

世の中には、素晴らしい提案力を持ちながら、第一印象が悪いことが原因で商談に失敗する営業パーソンが数多くいます。そしてその第一印象は出会ってからほんの数秒で決まってしまうのです。メラビアンの法則によれば、人と人とのコミュニケーションにおいて、視覚情報(身だしなみ・しぐさ・表情)が55%、聴覚情報(声や話し方)が38%、言語情報(言葉そのものの意味・会話の内容)が7%、相手に影響を与えるといいます。オンライン商談の場合、人は視覚・聴覚でのみ、相手を判断しますから、以下のポイントに留意していく必要があります。

 

【視覚対応】

・カメラが自分の目線に来るように、ノートパソコンスタンドを使用したり、椅子の高さの調整を行う。また、パソコン画面や原稿ばかり見ず、カメラ目線を意識する。

 

・リングライト等で、顔色や肌つやをよく見せるようにする。ただし、眼鏡をかけている人は、ライトが眼 鏡に写りこまないように調整する(両側から当てる等)。

 

・画質の向上を図るのであれば、パソコン内蔵カメラではなく、Webカメラを使用する。

 

・いつも以上に大きく頷くなど、リアルの時よりもリアクションをややオーバーに行う。

 

【聴覚対応】

・顧客が聞き取りやすいクリアな音質を目指すために、パソコン内蔵ではなく、別途マイクを準備する。

 

・声のトーンを少し高めにして、いつもよりゆっくり明確に話すことを心がける。

 

・「あの~」「え~」「え~っと」「ですし~」「…の方」「そうですね~」という相手に耳障りなクセをなくす(リハーサルで身内に指摘してもらう)。

 

その2:適切な環境設定とオンラインツールの機能の有効活用

いくら入念に準備をしても、良好な第一印象の獲得に成功しても、オンライン環境が不十分であったり、システムの機能を充分に活用できなければ、商談はうまく行きません。少なくとも、以下のポイントは押さえておきましょう。

 

・Wi-Fi環境の整った部屋(場所)でオンライン商談を行う。電波測定アプリを活用しながら電波強度を計測して、環境を確認する。オフィスの電波が弱いようであれば(-80~-100dbm)、ルーターを買い替えるなどの対応を行う。

 

・パソコンのスペックを確認して、少なくともメモリは8GB以上のものを使用する(理想は16GB以上)。4GBのパソコンの場合、画面が固まる可能性がある。

 

・Webカメラ・マイク・リングライトを活用する(その1に記載)。

 

・3大Web会議システム(ZOOM・Google Meet・Teams)、それぞれに対応できるよう、予行演習を行っておく。無料版は時間制限があるので、最低でもZOOMの有料版は契約しておく(年間2万円程度の使用料)。

 

・画面共有機能(前もって画面を立ち上げておき、最小化しておく)・チャット機能(URLの共有等に活用する。個別メッセージを使って、顧客に見られずに社員同士で打合せが可能)・リアクション機能(顧客から質問をいただく時などに活用)・録画機能(顧客の許可が得られた場合のみ使用)・背景設定機能(名刺管理アプリエイト等のQRコードを表示することも可能)を把握し、場面によって使い分ける。

 

その3:商談中に必要なアイテムの準備

オンライン商談中、トラブルは起きるものなのだと考え、それに備えておくことも重要です。そのために必要なものをあらかじめ目の前に置いておけば、突発的な事態にも冷静に対応ができます。

 

・メインのパソコン以外に、予備のパソコンを準備してログインをしておく。ただし、ハウリングをさけるために、ミュートにした上で、スピーカーもoffにする。また、メインのパソコンがダウンした時のために、予備のパソコンを共同ホストにしておく。

 

・相手企業の貴重な時間をいただいているので、時間厳守は最低限のマナーである。そのため、ストップウォッチ(スマホでも可)を用意して、時間の経過をチェックしながらプレゼンを進める。

 

・商談の際に使用するシナリオもしくはスピーチ原稿の準備も怠りなく行う。シナリオはいわば台本のようなもので、企画提案書には記載されていないデータやエピソードを記載しておき、プレゼンテーションにメリハリを付ける。またパワーポイントを使用してシナリオを作成する場合には、ノート機能や3スライド機能を活用する。

 

・プレゼンが苦手な方は、原稿を読めば済むようにスピーチ原稿を用意する。スピーチ原稿を使用する際の留意点は、以下の3つである。①話し言葉で書く、②できるだけ暗記をして、極力原稿を見ないでも話せるようにする、③棒読みをしない。

 

オンライン商談とリアル商談に臨む際の類似点・相違点について記述をしてきましたが、いずれの場合にも準備を、丁寧に時間をかけて行うことが肝要です。しっかりと計画を立てて、早めに対策を打つよう心掛けて下さい。

 

 

 

コラムニストプロフィール

原田泰宏(はらだ・やすひろ)

中小企業診断士。大手手旅行会社で、35年5か月、法人営業・商品企画・プロモーションを担当し、2018年より経営コンサルタントとして活動。中小企業を対象に、プロモーション全般・法人営業体制の構築・販路の開拓・社員教育等の支援を行っている。

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